2013年3月9日土曜日

時間についての考え方のちがい

 昨日、また研修会を開きました。先生達に対する研修会は今日で3回目。でも、今までとはちょっと違うのは、今回は私以外の、エクアドルで算数教育に関わっている先輩隊員のみなさんにもご協力いただいたことです。会場は、JICAがとってくれたホテルのホール。約120名の参加者を迎えての、大規模な研修会になりました。

 今までの2回の研修会は、会場は職場だし、私は自分の担当するパートだけ責任もってやればいーやーと、自分の出番以外は、写真をとったり参加者としゃべったり、気楽なものでした。だけど今回は、先輩隊員のみなさんとの調整も担っていたので、何かトラブルがあったらどうしよう・・・と最初から最後までハラハラしどおしの1日でした。でも、もともとノリがいいエクアドルの先生達と、先輩隊員方の連携プレーのおかげで、充実した研修会となりました。あ~よかった~!
私のプレゼン。授業観察を通して気づいたこと。
人前でスペイン語を話すことには慣れてはきたけど、きっとスペイン語ぐちゃぐちゃです。

先輩隊員の紹介する教材を作る参加者たち。
みんな真剣。

学生も参加してくれました。

先輩隊員の紹介する数のゲームをする参加者たち。
みんなノリノリです。

 研修会を重ねるごとに、どうしても気になってしまうこと。それは、「時間」です。時間の認識が、日本人とエクアドル人とじゃ全然違うことに、毎回びっくりしてしまいます。

 たとえば・・・当日の集合時刻。研修会は8時開始なので、JICAスタッフとの間で、朝7時15分集合と決まっていました。私は、バスが予想以上に早く到着したため、朝7時5分にはホテルに着いてしまいました。ロビーで待っているうちに、先輩隊員2名が到着。JICAスタッフも、7時15分ごろ到着しました。でも、肝心の私の同僚2人が来ない・・・。まあ、まだ時間があるから大丈夫でしょう!先に、先輩隊員たちと当日配る資料をセッティングしたりして待ちます。早い参加者はもう到着しています。なのに、主催者がまだ来ない!!結局、到着したのは7時45分でした。なんだかんだと言い訳していましたが、それにしたって・・・。

 その後、参加者の集まりが悪いので、開始を10分ほど遅らせます。10時55分、コーヒーブレークに。予定では30分でしたが、時間がおしているので20分に。カルメンは、「時間厳守で!11時15分には戻ってきてください!!」20分後・・・ホールはガラガラ。誰も戻ってきません。カルメンでさえ!!!あわててカルメンを探しに行き、

「カルメン、もう11時20分だよ!」
「あら、もうそんな時間??」

 自分で、時間厳守っていったんじゃな~い!!

 これは、別に今日に限ったことではありません。いつものことです。そして、エクアドルではごく普通のことです。だから、ハラハライライラしているのは私だけで、あとの人たちは待たすことにも、待たされることにも、全く気にしていない様子。

 よく、「日本人はプンチュアル(時間通り)ね。」って言われます。私にとって、そして多くの日本人にとっては、時間を守ることはマナーであり、常識です。時間にルーズだと、ほかの人からの信頼を失うことになってしまうからです。どうしてこうなったんだろう??やっぱり、小学校のころから、時間の大切さを教えられてきたからでしょう。全校朝会に遅れたら怒られたし、休み時間のチャイムが鳴っても戻ってこなかったら怒られたし。さらに、中学校では「5分前行動」をたたきこまれました。教員になってからは、子ども達に「遅れてくる人を待っていると、ほかの人たちの貴重な時間が無駄になる!」って言い続けてきました。 

 一方で、エクアドルの時間の考え方でいくと、ちょっと気が楽です。パーティーの開始時刻にちょっとくらい遅れても、誰も文句は言いません。たとえドタキャンしても、「しょうがないわね。」って感じです。
 
 エクアドル在住の日本人の方から、以前こんなお話を聞きました。

「日本って、信頼で成り立っている社会でしょ。でも、エクアドルは不信頼で成り立っている社会なのよ。」

 なるほど!「相手も時間を守るだろう」という信頼で成り立っている日本の社会、「相手も時間を守らないだろう」という不信頼で成り立っているエクアドル社会。どちらも、社会としては成り立っているから不思議です。

 きっと、エクアドル人が日本で生活したら、息苦しくなってしまうことだと思います。結局は、どっちの方が生きやすいのかな?

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