2012年9月28日金曜日

プロジェクト、ようやく始動?

 今朝、オフィシーナ(職員室)に行くと、「今日は引っ越しよ!廊下の突き当たりの部屋に行くわよ!」とカルメン。前々から彼女が、「新しいオフィシーナはどこになるのかしら?」と心配していた、引っ越しがついに実行されたのです!!

 この教員養成校の教員のオフィシーナは7つあり、それぞれに教員用の机があり、そこで授業時間以外は仕事をしているのですが、どういう分け方をしているのかは・・・仲良しグループ??っていう雰囲気がありました。現に、私はカウンターパートのカルメンと同室だけど、同じ算数科教員のホルヘは別の部屋。っていうか、どこにいるか知らない、という状態でした。

 引っ越し先のオフィシーナは、前より広い!その上、今のところ私とカルメンとホルヘだけ!!なんて贅沢な!!!そして、入り口には「教育方法刷新プロジェクト」との看板が!ひょえー!カルメンのプロジェクトのために、1部屋もらえたってこと??カルメン、なかなかやり手のようです。

オフィシーナの入り口。
"Bienvenidos(ビエンベニードス)"は「ようこそ」という意味です。
私の机。新聞は、読んでいるのではなく、カッターを使う時の下敷きです。
まだ難しくて読めません。

 最近の活動状況は・・・相変わらず小学校に行って、授業を見せてもらっています。いろいろ気づくことをメモしていたのですが、授業によっては、「私だったらああするのに!うー、私が代わりに授業したい!!」 と思うこともしばしば。でも、小学校の先生たちを指導するのは、私の活動ではないし、そういうつもりで授業を見せてくれているわけではないだろうし・・・でも、このまま黙って見てるのも、却って失礼かも!!と思い、1つ教材を作ってみました。日本でも大きな数やたし算ひき算を教えるときに使っていた、特にびっくりなしかけはないシンプルな教材です。

算数ブロック。「バセ・ディエス」と呼んでいます。
でも、実際は奥の机に見えるように、積み木遊びとなっています。

赤い立方体が1000!青の板が100.赤い棒が10.小さい立方体が1です。
これだけ種類があれば、そりゃ積み木したくなってもしょうがない。

数字カード。Uが一の位。Dが十の位。Cが百の位です。
ただ、ここの黒板は磁石がくっつかないので、1つ1つテープで貼るしかありません。 
数直線も作ってみました。
ここの黒板は、方眼がなく、大きな定規もなく、数直線を直接書くのが難しそうなので。


 これらを昨日、校長先生に見せてみました。「教材を作ってみたんだけど、見てくれませんか?」って。「私が見た授業では、大きな数を学習する際、4年生、5年生でも算数ブロックを使っています。小さい子どもには、具体物は大切だけど、3年生くらいになったら、そろそろ抽象化しないと。これなら、100がいくつ、10がいくつって目で見てもわかるんです。」って、つたない言葉で説明してみました。すると、興味を持ってくれたみたいで、「今度、ほかの先生たちにも説明してくれる?」って言ってくれました。ただ、彼女はとっても多忙なので、今日は会えず。とりあえずは、その反応だけで十分です。

 そして今日、例のプロジェクトの会議がありました。私たち算数科教員3人と、管理職(コーディネーターという役職)、書記の事務さんの5人です。具体的に、どうやってプロジェクトを進めていくか、という話でした。3週間ほど前の会議より、みんなが何を話しているのか、だいだいわかった気がします。リスニング力がついてきたのかな??話し合って決まったのは、

①カズノが今までの授業観察で気づいた課題をこのメンバーに発表する。
②キト市内の教育実習校を訪問。カズノを紹介して、プロジェクトについて説明する。
③教員養成校の職員に、プロジェクトの内容を広める。
④教育実習校の校長先生にプロジェクトの内容を広める。
⑤教育実習校の教員にプロジェクトの内容を広める。
⑥教育実習校の教員に研修をする。

という流れです。こうしてみると、私の気づいたことが、今後のプロジェクトの方向性を決めるってことじゃない??責任重大です!!!来週の木曜日にその発表をすることになりました。言いたいことはたくさんあるから、ちゃんと伝わるように準備をしようと思います。

 カルメンにも、教材を見せたところ、「なるほどね!」と興味を持ってくれました。そして、会議でも、「カズノが教材を作ったのよ。数の構成が目でみてもわかるのよ。」と、話題にしてくれました。JICA調整員さんいわく「前のめり」なカルメンですが、私の意見をきちんと聞いてくれるので、安心して話すことができます。会議でカルメンは、「私たちが教員に何か言っても、ふーんで終わっちゃうけど、外国人が言うと説得力がある」と言っていました。なるほど、そんなもんでしょうか。

 環境は、周りがしっかりと整えてくれています。恵まれていると思います。あとは、私がどれだけ周りの信頼を得られて、どれだけ伝えられるか、だと思います。新しく何かを始めるっていうのは大変だけど、できる範囲で頑張ろうって気になってきました。

2012年9月26日水曜日

今日は、旗の日

 9月26日は、「ディア・デ・ラ・バンデラ・ナショナル」、国旗の日です。1900年に、今のエクアドル国旗が定められました。それを祝う日です。エクアドルの現在の国旗になるまでに、なんと10個も国旗が変わっているのです!!

現在のエクアドル国旗。
この三色の組み合わせは、いたるところで見られます。
廊下の掲示板。7年生の子たちが作った、国旗についての紹介です。

 最近、毎日授業を見せてもらっている敷地内の小学校に行くと、何やら廊下の様子が変です。椅子がたくさん並べられていて、7年生の子どもたちが、そわそわしています。「今日は何があるの?」と聞いたら、「今日は、国旗の日だから、ほかの学年の子たちに説明するの。」なんだか面白そう!一緒に見せてもらいました。

 さっそくやってきたのは、1年生。日本でいう年長さんです。歩き方もまだ赤ちゃんみたいで、かわいい!でも、この国旗の話は、この子達にはまだちょっと難しいみたい。でも、一生懸命に聞いていました。始まる前は緊張気味だった7年生の子たちも、終わってほっとした表情で教室に帰っていきました。頑張ったね!

 このまま、2年生から6年生まで、各グループに分かれて発表した模様。7年生、お疲れ様でした!
廊下に座る、1年生のちびっこ達。ちゃんとお話聞けるかな?

一生懸命に説明する7年生たち。かなり緊張気味。

 帰りの車の中で、ママと国旗について話をしました。日本には・・・国旗の日はありません。そんなものを制定したら、大論争が起こりそうです。エクアドルでは、同様に国歌も大切にしていて、日本でいう全校朝会でも手を左胸に当てて国歌を歌います。もちろん、ちびっこ1年生も歌えます。一方、私は小学校4年間は関西にいたので、小学校5年生で名古屋に転校するまで、「君が代」を知りませんでした。「音楽の教科書の最後のページに載っているもの」という程度の認識でした。

 この違いはなんなんだろう。ふと思ったのは、エクアドルでは、国旗は「独立」の象徴。だから、国旗も国歌も誇りです。一方日本は・・・日の丸と君が代に関して、いろいろな意見の人がいます。また1つ、異文化を感じました。

2012年9月25日火曜日

キトの交通事情

 キテーニョ達が恐れるものの1つ、それが「ピッコ・イ・プラカ」です。「ピッコ・イ・プラカ」、響きはかわいいのですが、何かというと、「平日ラッシュ時の交通規制」のことです。キトのラッシュ時の交通渋滞は、ものすごいものがあります。3か月オリで、同期隊員が口々に、「キトはいいなあ。なんでもあるね。」と言っていましたが、大都市ならではの問題が、この交通問題ではないでしょうか。

「ピッコ・イ・プラカ」を知らせる看板。
もっと大きい、罰金まで書いてあるバージョンもあります。
「ピッコ」はくちばし、「プラカ」はナンバープレートのことらしい。
月曜日から金曜日までの、朝7時から9時半まで、夕方4時から7時半まで、ナンバープレートの末尾が指定された数字の自家用車は、道路を走ってはいけないのです!!月曜日は末尾が1と2、火曜日は3と4・・・というふうに、金曜日まで決まっていて、これを破ると、1回目は97ドル、2回目は140ドル・・・と超高額の罰金が科せられてしまいます!!

 私の職場は、朝7時出勤なので、朝は問題ないのですが、3時退勤なので、家が遠い人は、「今日はピッコ・イ・プラカだから早く帰らなくっちゃ!」といって、ダッシュっで帰って行きます。1時間以内で帰れる保証がない人は、その日だけバス通勤しています。

 そのバスは、9月に入って、学生がバス通学するようになってから、ものすごいことになっています。私は、時々ママが早く出勤するので、その日はバスで通勤しています。初めてバスに乗ったときは・・・満員で1本目のバスに乗れませんでした!日本では考えられないことなのですが、人でいっぱいで、入り口のドアは開けっ放しで、人がステップのところにまで立っているのです。2本目は覚悟を決めてなんとか乗り込んだのですが、ステップの2段目。後ろに1人男性がいたのですが、「ここで落ちたら間違いなく死ぬ!」と思って、必死に手すりにしがみつきました。学生たちが降りるまで、約10分その状態。あー、こわかった。

 よく、「東京もこういう渋滞やラッシュはある?」と聞かれます。もちろん、渋滞はあるけど、東京には電車も地下鉄もあるから。キトの渋滞とバスのぎゅうぎゅうは、電車がないからじゃないかなぁ?

 そんなふうに考えていたら、先日「キトにも地下鉄を作る計画があるらしい」という話を小耳にはさみました。ふーん、と思っていたら、今日、トローレの駅にこんな看板を発見!どうやら地下鉄を作ろうという計画はあるみたいです。でも、いつから作り始めるとかは書いてません。「地下鉄ができたら、こんないいことがあるんだよ」っていうアピールだけ。本気なの?
トローレの駅にあった看板。今、トローレで1時間以上かかる距離が、34分で行けるようになる!と書いてあります。

 こんな風に考えてしまうのは、新空港建設が遅れているから。キト市内から車で30分くらいのところに、新空港を作っているのです。8月に、キトに来たばかりの時に、付近を車で通りかかり、「ここが新空港だよ。10月オープンなんだって。カズノが日本に帰るときは、ここからだね。」とママが教えてくれたのですが、ここ??ここが、あと2か月で空港になるの??どう考えたって無理でしょ!!だって、滑走路らしきものが見えているだけで、周りは崖のまま。風が吹くと砂ぼこりが舞って目を開けていられないし、道路も工事中だったり舗装されていなかったり。首都の空港がこれじゃあ、だめでしょ!!と思っていたら、数日後、「3月オープンに延期されたんだって」とママ。やっぱりね。土曜日、オタバロに行く途中でも新空港前を通りかかりましたが、劇的な進展は見られず・・・あと半年、今度こそ間に合うの??

 ということで、のんびり屋さんのエクアドル人達が作る地下鉄は、いったいいつになるのやら。看板には、「実現可能な夢」と書かれていました。先日の3か月オリにて、同期隊員たちが、「エクアドル人って、あと1歩が惜しいんだよね。もう少し努力したら、我慢したら、きっと世界が違ってくるのに。」と話していました。あとちょっと努力したら、きっと地下鉄もできるはず!頑張れ、キテーニョ!!

2012年9月23日日曜日

3か月だよ、全員集合!!

 木曜日、金曜日は、JICA事務所で、「3か月オリエンテーション」がありました。これは、私たち24年度1次隊がエクアドルに来て早3か月。ここでの生活や活動先にも慣れてきたところで、JICA事務所に集まって、調整員の方々から、お話を聞いたりスペイン語の授業を受けたりするものです。

 このため、水曜日午後には、同期隊員がエクアドル各地からキトに上京。中間報告会以来だから、約1か月ぶり!facebookで近況を読んだり、skypeでちょくちょく話したりもしてたけど、7人集まるのはやっぱり楽しみ!隊員連絡所に行って、みんなをお出迎え。しばらくみんなが持ってきてくれたパンやお菓子を食べながらおしゃべりして、買い出しに行って、台所で久しぶりの日本料理を作りました。私はもっぱら指示に従うのみ!久しぶりの日本料理はほっとする味でした。
木曜日の夕食、キムチ鍋と手打ちうどん。

水曜日の食卓。
サプライズで私の誕生日をお祝いしてくれました。
私が食べたかったお店のケーキ。
エクアドルには珍しく、甘すぎないおいしいケーキです。

土曜日のメニューは、カレーライス、サラダ、白菜と豚肉のミルフィーユ煮、フルーツのヨーグルトあえ。
カレー、うまい!!

 木曜日は、所長講話、JICAのエクアドル事業について、金曜日は安全対策、スペイン語講座などがありました。JICAがエクアドルでどんな援助をしているのかは、初めて知った部分も多く、特に生活向上なんかは、私は大都市で生活しているので気づかない、農村部との生活格差を知りました。また、ペルー国境にできた大きな橋は、日本の援助で作ったそうです。ただ、エクアドル側がやらなきゃいけない仕事が滞っていて、なかなか開通までいかないのだとか・・・。JICA職員のみなさんも大変そうです。

 安全対策では、「3か月オリエンテーションが終わって、気が抜けてから被害にあう人が多いからね。」とくぎをさされました。確かに、「なんとかなりそう」って思っちゃう時もある。気を引き締め直します。スペイン語講座は、日本語が堪能なエクアドル人職員ケンジさんが講師で、質問形式でした。「ん?今のどういう意味?よく聞く言葉なんだけど・・・」っていう疑問がすっきりしました。スペイン語、上達している実感は全くないけど、あんまり気にしてません。そのうちなんとかなるはず!でも、ちょっとずつ努力はしないとね。

 それから、「異文化適応」の話のとき、私が協力隊に応募するときに書いた「応募調書」というのが配られました。ちょうど去年の4月、応募書類に「どうしても協力隊に行きたいんです!」という熱い思いを書いたものです。「私、こんなことができます!」ってかな~り大口叩いていて恥ずかしかったけど、「初心忘れるべからず」。大事にとっておきます。

 2日間のオリエンテーションはもちろん有意義だったけど、同期の仲間たちと久しぶりに会って、まじめな話もくだらないおしゃべりもできたのは、とってもよかったです。思えば、4月に駒ヶ根で出会って5か月。年齢も職業もバラバラだし、仲良しグループでエクアドルに来たわけではないので性格もバラバラなのに、この短時間でそれぞれの役割ができていて、誰一人と欠けてはいけない大事な仲間になっています。こういうのって、やっぱりいいなぁ。
おそろいのTシャツで料理中。
1人は体調不良のため、全色ではありません。

 日曜日は、キトからバスで約2時間の場所にある、オタバロという街に行ってきました。ここは、土曜日にたくさんのインディヘナ(先住民)の民芸品の市場あることで有名。すてきな街でした。

こんなすてきな刺繍のブラウスとか。


布製品が多かった!
私はアルパカのポンチョを買いました。
お昼ごはん。豚さん、いただきまっす!

上のチャンチョ(豚)はこうなりました。

2012年9月18日火曜日

もう1つの小学校

 昨日と今日は、私の配属先「教員養成校マヌエラ・カニサーレス」の敷地内にある小学校を見学させてもらいました。同じ敷地内で、同じ「マヌエラ・カニサーレス」という名前なのですが、日本でいう教育大学の付属校とはちょっと違うのか、実習はここではしないし、卒業生が先生っていうわけではなさそう。でも、月曜日の全校朝会は合同です。よくわかんないけど、姉妹校みたいなものかな?

 昨日は7年生(日本でいう6年生)の授業を見せてもらいました。でも、内容が「座標」。日本では、中学校で学習する内容です。エクアドルの算数は、内容がいっぱいで、座標のほかにも、素因数分解や、累乗法、ルートの開法も7年生で勉強します。中学校の数学は教えたことないので、慌ててエクアドルの小学校の算数の教科書で復習。この先生はベテランのようで、エクアドルでは珍しく、板書もしっかりしていて、きちんとめあてを書いていました。こんな黒板、初めて見た!

7年生の授業の黒板。左上にきちんと今日の目あてが書いてあります!


 今日は、5年生(4年生)と4年生(3年生)の算数の授業を見せてもらいました。4年生の先生は、50代くらいの女性。内容は、1万までの数。うーん、いろいろ気になってしまったので、いろいろメモを取りながら授業を聞いていました。終わったのは、1時間半後。途中休憩なしの2コマの授業です!
4ケタの数の位取りをしているところ。

 授業が終わって、校長室に行くと、一緒に見ていた校長先生に、「今の授業、どう思った?気になったことがあったら言って。」と言われました。えっ?!今回私が授業を見学させてもらったのは、先生の授業をどうこう言うわけではなく、エクアドルでの算数授業の実態を知るためだったんだけど・・・。しかも、この小学校の先生を指導するのは、私の活動内容ではないし、しかも、相手は私よりずーっと年上のベテラン。私なんかが何か言ってもいいの??でも、校長先生は私を期待した目で見るので、うーん・・・しかたなく、いくつか気になったことを伝えました。

 その後、先生が校長室にやってきました。彼女は、この小学校では新しい先生なのだとか。そして、校長先生はこの時期、ぬきうちで授業観察をしているらしいのです。校長先生が、「今日の授業、自分でどう思った?」ときくと、「緊張しました・・・。」と言ってから、校長先生からも授業についてコメントがありました。さっき私が話したことも言ってくれました。私の方を見て、「他になにかある?」と聞かれたけれど、直接言うのはやっぱりちょっと・・・校長先生がほとんど言ってくださったし・・・と思って、私からは何も言いませんでした。

 でも、昼食を食べながら、その話を事務員のアナにすると、「あなたは言っていいのよ。きっと、新しい発見があるんだから。」と言われました。日本では、ずーっと指導される立場だったので、ずっと年上の人の授業について意見を言うなんて・・・。しかし、周りから見れば、私は日本から来た専門家なわけで、やっぱり言うべきことは言わないといけないよなぁ。素直に聞いてくれる人たちなんだから、恵まれてると思って頑張らなきゃ!!

 それにしても、先日見学した、イサベラ・カトリカ小学校とは、先生の力も子どもの落ち着きもずいぶん違います。同じ公立なのに・・・。その疑問に、アナは「セントロ・ヒストリコよりも、北部のほうが裕福な人が多いのよ。」やっぱり!子ども達の服装や持ち物からなんとなく気づいていました。先生も、5年生の先生は私と同じくらいの年齢(推定)なのに、落ち着いていて、子ども達もよく話を聞いていました。同じ市内でこれじゃあ、もっと田舎とはもっと格差があるのかなぁ。
5年生は、5ケタの数。

問題に取り組む子ども達。

 でも、子どもたちが人懐っこいのはどこも同じ。7年生の女の子たちには休み時間に、「一緒に遊ぼう」と誘われ、鬼ごっこをしました。3年生の教室をのぞいたら、やっぱり質問攻めにあいました。エクアドルの子ども達は、みんな好奇心旺盛です。この学校の子たちと、横川小学校の子ども達をつなげたいなぁ。どうやってつなげようかなぁ。ただ今思案中です。

2012年9月17日月曜日

異文化?それとも〇〇コン!?

 前々から、気になっていたことなのですが・・・。
 
 初めてキセントロ(ショッピングモール)で買い物をしていたときのこと。下着屋さんに入ってみると、女性下着に交じって、男性の下着も売っていることに気づきました。男性は、ここに下着を買いに入るの、恥ずかしくないのかなぁと思っていたのですが・・・・

 しばらくして、ママと買い物に行ったときのこと。ママが、「ここに入ってもいい?」と、その下着屋さんに入りました。何を買うのかと思ったら・・・「パト(息子)の下着を買いたいの!」と、男性下着を数枚買ったのです!!ちなみに、パトリシオは30歳。私と1つ違いの男性が、ママにパンツを買ってもらってるの??

 この事実を、同期隊員に話したところ、「私の友達もそうなのかな?」と、友達に電話して聞いてみました。「あなたのパンツ、誰が買ってるの?」すると、「もちろん、ママだよ。」との答えが!!ちなみに、この男性は32歳です。

 これ以外にも、ママが息子を溺愛してるのは、たびたび目撃します。ママは、外を歩くとき、自然に息子と腕を組んだり、手をつないだりします。息子が休日、疲れてベッドにいると、ジュースやご飯を部屋まで持っていってあげます。もともと、ママはスキンシップが好きな人で、兄弟とも腕を組んで歩いたりするのですが・・・

 家族を大事にする。親子の絆が強い。と言ってしまえば、それが異文化であり、日本のものさしで見て一方的に判断してはいけないということは重々承知なんだけど・・・・30過ぎの独身男が、ママにパンツを買ってもらっているという事実は、私にとっては衝撃です。でも、そういうママがいるから、女性下着屋さんに、男性下着もおいているのでしょう・・・。

 ちなみに、この記事を書く前に、念の為母にスカイプで「弟(28)のパンツ買ってあげてないよね?」と確認しました。答えは、「まさか!」よかった・・・。


 いつか、エクアドルで好きな人ができたら・・・「パンツは、自分で買ってね!」ってお願いしようと思います。

 さすがに、下着屋さんの写真は撮っていないので、以下の写真は本文とは関係なく、私がキト旧市街で一番のお気に入りの建物、バシリコ教会です。2ドルで中に入れ、時計台のさらに上まで登れます。怖かったけど、そこからの眺めは最高!

横からみたら、こんな感じ。

縦からみたら、こんな感じ。

時計台からの眺め。正面に見えるのが、パネシージョの丘。

強風でした!

2つ時計台。

中のステンドグラスも素敵!

2012年9月12日水曜日

31回目のクンプレアニョス(誕生日)

 31回目の誕生日を、エクアドルで無事に迎えました。大人になって、しかも三十路を過ぎて、誕生日で大騒ぎするなんて・・・と思っていたけど、いろんな人におめでとう!って言ってもらうのは、やっぱりうれしいですね。

 今朝は、朝起きてダイニングに行くと、何やらママがパソコンを操作しています。珍しいなぁ・・・と思いながら「ブエノス・ディアス!(おはよう)」というと、「フェリス・クンプレアニョス!(誕生日おめでとう)」といつもより長めのハグをしてくれました。そして、パソコンから流れてきたのは、「フェリス・クンプレアニョス(ハッピーバースデー・トゥー・ユー」の曲。朝いちばんに、誕生日の気分に浸れました。ママからは、小さなポーチをプレゼントしてもらいました。

 予定では、今日までが小学校見学。でも、ママが、「カルメン(同僚)が今日は学校に来てって言ってたから、休み時間が終わったら戻ってらっしゃい!」と言います。もしかして・・・とちょっと期待しながら、まずは小学校へ。

 小学校では、休み時間にはいつもの通り、たくさんの子どもから質問攻め。毎日違う子どもが、「名前は?」「どこから来たの?」と質問するんだけど、今日も「何歳?」って聞かれたので、「昨日までは30歳だったけど、今日は31歳。誕生日なの!」って答えたら、「フェリス・クンプレアニョス!」ってハグをしてくれました。 

 その後、1週間ぶりに活動先の教員養成校へ!久しぶりに会う同僚の先生方も、「フェリス・クンプレアニョス!」とハグをしてくれました。いくつになったの?と聞かれ、「31歳!」と正直に答えたら、「あら!18歳くらいかと思ってたわ。」だって!うふふ。アジア人は、若く見られてお得です。

 お昼になると、「今日は、お祝いにみんなでご飯食べに行こう!エクアドル料理と日本料理、どっちがいい??」ときかれ、そりゃあこんなときじゃないとなかなか行けない「日本料理!」と答え、みんなでお寿司を食べに行くことになりました。

 「NOE」というお店は、エクアドルの寿司チェーン店みたいで、キト市内にも何店舗かあります。前から気になってはいたんだけど、入るのは初めて。わくわくしながら、メニューを見てみると・・・もはや寿司ではありません。やたらとこった創作料理です(笑)しかも高い!!2ドルで日替わり定食が食べれてしまうこの国で、寿司は1人前約10ドル!!うわー、いいのかなぁ・・・と思いつつ、「アトランティック・ロール」というものを注文したら、「スープはいいの?」スープだって、9ドルもするけど・・・お言葉に甘えて注文。

 出てきたものは、想像していたのり巻きではなかったけれど、久しぶりにお箸で、醤油をつけて寿司を食べることができて、幸せでした。最後は、誕生日サービスとして、わたしだけデザート付き。おなかいっぱい♪
NOEという寿司レストランです。高めなのに、お客さんはいっぱいで人気のようです。

カウンターもあります。ちょっとおしゃれな雰囲気です。

スープ。魚介類がたっぷりで、クリーミーな味でした。
日本では食べたことのない味だけど。

私が注文した、「アトランティック・ロール」
海苔は内側です。

イサベラとサンドラが注文した、寿司。
名前は忘れたけど、日本っぽい名前だった気が。

同僚のみなさま。
みんな、娘のようにかわいがってくれます。

私だけ、特別デザート。ティラミスみたい。
みなさんから、カードをいただきました。
ただよく見ると・・・Kasunoになってます・・・。

 その後、上京している同期隊員のちなみんに会いに、JICA事務所へ。そこで、ちなみんが調整員のお2人に、「今日はかずのさんの誕生日なんですよ!」と言ってくれて、じゃあ、みんなでご飯食べに行こう!!とイタリア料理のお店に連れて行ってもらいました。ごちそうさまでしたー!!

 さらにその後、夜8時40分から、横川小学校5年1組とスカイプ。子ども達みんなが、「お誕生日おめでとう!」と言ってくれました。日本はすでに13日だったのに、覚えていてくれてありがとう!!その後、母ともスカイプ。facebookには、日本語・英語・スペイン語でお祝いメッセージが届いていました。メールも届きました。みなさん、本当にありがとうございます!!

 誰にも気づかれずに誕生日が終わったらどうしよう・・・と内心不安でしたが、世界中からおめでとうメッセージが届いて、本当にうれしかったです。これからも、笑顔と感謝を忘れずに生きていきたいと思います!!

2012年9月11日火曜日

見えてきた現状と課題

 イサベラ・カトリカ小学校の見学も、今日で4日が過ぎました。明日で最後の予定です。ここ2日は、テストだけでなく、授業の様子も見せてもらいました。今まで、先輩隊員のみなさんや同期隊員のじゅんちゃんから、エクアドルの小学校の現状について聞いてはいましたが、実際に目にして、課題が見えてきました。

①できない子はそのまま
 前に書いた、スペイン語の授業。進むペースが速くて、ついていけない子どもがいたけど、それはそのまま・・・。見かねて私が声をかけたけど、あのままだったら放置だったと思います。

②見えない黒板
 エクアドルの黒板は、日本と違ってホワイトボードにマーカーで字を書きます。これが、インクがかすれると後ろからは全然見えません。また、先生の字も小さいので、読めない。先生、時々うしろから自分の板書を見てみてください!!

③授業が中断
 授業を見ていると、よく先生がふいっといなくなってしまうことがあるんです。先生がいなくなったら・・・そこは無法地帯。立ち歩く子、友達にちょっかいを出す子、おかしを食べだす子、大声を出す子・・・。学生がちょっと何か言ったくらいでは、効果なし。「自習」というものは存在しません。

④教科書は?
 授業を見ていて、ふと「あれ?教科書は使わないのかな?」と思い、子どもたちに「教科書はどこにあるの?」ときくと、後ろの棚を指さし「あそこにしまってあるよ。必要なときだけ出すの。」だそうです。エクアドルの教科書は、日本のように個人持ちではありません。同じ教科書を、3年くらい使うそうです。だから、持ち帰らせずに教室で保管するのは当然です。でも、せっかくあるんだから授業中は使おうよ~!!

⑤ごみが散乱
 前回書いたように、この小学校では、休み時間にお菓子を食べます。休み時間後の校庭は、見るも無残なごみだらけ。子どもたちが走って教室に戻るので、ごみ箱がひっくり返っていることもあります。それを見て驚いていると、通りかかったある先生が、こんな話をしてくれました。

「これ、ひどいだろ。僕は25年間、子ども達にずーっと『ごみはごみ箱に捨てなさい』って言ってるのに、全然変わらないんだ。これは、もうエクアドルの文化だね。僕の友達は、日本人と結婚したんだけど、その日本人は、外でごみが出ると、ちゃんとしまって、家で捨てるんだよ。日本人はすごいね。」

 facebookで同期隊員の記事を見ていると、このごみ問題はエクアドルだけでなく、途上国全般に言えることみたいです。だからこそ青年海外協力隊には「環境教育」という職種があるんでしょう。人々の意識を変えるというのは、大変そうです。

 このほかにも、気づいたことはたくさんありますが(特に算数の授業について)、このへんでやめておきます。悪口みたいに書いてしまいましたが、決してそうではありません。先生も、子ども達も、とっても優しくていい人たちなんです!!子ども達は、目が合うとにっこり笑いかけてくれるし、休み時間には私に貴重なお菓子を分けてくれます。私を見つけると、「セニョリータ・カズノ!!」とハグをしてくれます。教えてあげてできるようになると、うれしそうにノートを見せにきてくれます。先生方も、突然「算数の授業を見せて」と言ったら快く教室内に迎え入れてくれるし、何人かの先生は、「算数のプロジェクトで来てるんでしょ?私も、新しい算数の教え方を知りたいわ!」と言ってくれました。決して怠け者ではありません。ただ、知らないだけです。だからこそ、私の力で彼らに何かできたら・・・そう思います。私の、たった6年間の教員としての経験、知識を伝えることで、何をどこまで変えることができるでしょうか??残りあと1年6か月!!

4年生の算数の授業の様子。
一の位、十の位、百の位の数字はどれ?という問題です。


 
以下の写真は、本文とは関係ない、私のこの学校一番のお気に入りスポット、バル(売店)の写真です。日本とはまったく違う休み時間の風景です。
子ども達でごった返すバル(売店)。

売店のおばさん、あと1人います。いつも笑顔で癒されます。
奥に見える鍋で、私の大好物、サルチパパを揚げています。

スナック類も充実してます。

休み時間は、子どもたちの日本についての質問に答えていると終わってしまいます。
この日は、サルチパパが品切れで、チキンの煮ものとご飯。これもおいしい!!
「日本の小学校には、売店はないよ。休み時間は、おかしはなし。もし持って来たら、私が取り上げるよ!」というと、売店のおばちゃんも子ども達も、目を丸くしてびっくりしてました(笑)

2012年9月7日金曜日

小学校で有名人気分

 昨日と今日と、教員養成校の学生に交じって、イサベラ・カトリカ小学校を見学させてもらいました。エクアドルの小学校に1日いて、学校の様子をちょっと垣間見ることができました。

 まず、7時に学校が始まります。ここ2日間は、全校児童が集まって、集会をしていました。なんか、体操らしきものをしていたので、体育朝会みたいなものかな?教員養成校の学生と一緒に、「日本からのお客様です」と私も紹介され、私だけマイクを持たされてしまいました。ええ?!いきなりスペイン語で自己紹介?何の心構えもしてないのに??でも、マイクを受け取ってしまったからには、間違ってもいいからなんかしゃべらなきゃ・・・

「こんにちは。かずのです。日本から来ました。みなさんが一生懸命勉強しているのを見せてもらいます。」といったつもり。みんな拍手してくれたけど、ほんとに伝わっていたのかは謎。
全校朝会の様子。ピンクの白衣は先生方です。

赤いポンチョは校長先生。

 昨日は、最初は4年生、途中から7年生、最後は廊下で会った子どもとおしゃべりをしました。4年生のテストの様子を見た後、ほかの教室も行ってみる?と誘われ、7年生の教室にもお邪魔しました。7年生のクラスの先生は、なんと以前、エクアドル日本人学校でスペイン語を教えていたそうなのです!日本と日本人が大好きだというその先生は、「子ども達としゃべりたい?」と、交流する時間をくださいました。「何か質問はある?」というと、たくさんの子どもたちが手を挙げてくれました。「今、日本は何時?」「カンフーはできる?」「あなたの名前を日本語で書いて」「日本はどこにあるの?」・・・などなど、目をキラキラさせて、地球の裏側の国に興味津々!7年生らしく、質問もきちんとしていて、さすがです。
細長い教室の4年生。狭いけど、建物が古いのでしかたないのだとか。

たくさん質問をしてくれた7年生の子ども達と。日本から持ってきたユニクロのカーディガンの色が、ここの制服と同じ!!

 そして、10時になると休み時間。日本と全く様子が違います。なんと、みんなお弁当やお菓子を食べ始めたのです!そして、さらに!学校に売店があるので、おかしやパンや、私の大好きな「サルチパパ(フライドポテトとウィンナー)」まで売っています。そこに、子どもたちが行列を作っているのです。校庭はとーっても小さいので、走り回って遊ぶことはできません。ボールもなし。子ども達が好きな場所に座って、お菓子を食べながらおしゃべりする、というのがエクアドルの休み時間のようです。
中庭の様子。友達と集まって、食べながらおしゃべり。

校庭の様子。

奥にあるのが売店。小銭を握りしめた子ども達で大混雑です。

休み時間のあとは、一列に並んで教室に入ります。

 休み時間中は、校庭に出ると、あっという間に子ども達に囲まれてしまいます。「あなたの名前は?」「日本語で○○って何ていうの?」「私の名前は日本語で何ていうの?(これが意外と多いんです。日本でも同じだよって説明してあげます)」と質問攻めです。教室では、「私の名前を日本語で書いて」とノートと鉛筆を持って、集まってきます。サイン攻めにあう有名人の気分です。目が合うだけで、うれしそうに笑ってくれて、芸能人って、こんな気分なのかな??
テストに取り組む6年生の子ども達。分数が苦手なのは、日本の子ども達と一緒。

 今日は、前半は6年生のテストの様子を見せてもらい、後半は3年生の教室へ行ってみました。後半は、国語の授業。最初は、後ろから見ていたのですが・・・先生が言った言葉をノートに書いているとき、、先生のペースについていけない子が何人かいて、遊び始めているのです!!学生が見回っているけれど、とても手が回っていない様子。見学させてもらうつもりてきたのに、その子たちに声をかけ、できている子のノートを見せてもらい・・・個別指導です。まさか、まだスペイン語が十分に話せない日本人が、エクアドル人にスペイン語を教えるなんて!!自分のやっていることに笑えてくるけど、ついつい「できない子を放っておけない」先生としての性分が出てしまいました。できた子どもは、うれしそうにノートを見せてくれました。ちょっとは役に立ったかな??

 そのうち、先生の目が届かない後ろのほうでは、友達のえんぴつを隠してみたり、ごみを投げてみたり、席を立ち歩いたり・・・どこの国にもやんちゃな男の子はいます。言葉ではうまく言えないので、目線で!久しぶりに眉間にしわが寄ってしまいました・・・。改めて、先生って大変だ!!