2012年12月11日火曜日

エクアドル人の英語力

 最近特に大きな出来事はないのですが、日々ふと感じたことを書いておかないと忘れてしまうので・・・今日書きたいのは、英語についてです。

 ずっと前になりますが、「英語で話しかけてくる人がいて困る。私はスペイン語が話したいんだ~!」ということを書いたと思います。その時は、英語が得意な人について書いたので、そうでないエクアドル人の英語力を知りませんでした。徐々に気づいたエクアドル人の英語力とは・・・

 ここに来る前、エクアドルを含め南米の人は、みんな英語がベラベラだと思っていました。日本よりもアメリカと近いんだし。それに、アメリカの高校へ通っていたころ、アメリカの高校生の多くが、第一外国語としてスペイン語を勉強していました。だから逆に、南米の人も英語をたくさん勉強しているはず!と思っていました。

 日本人も、英語が苦手だと一般的に言われています。中高6年間勉強してきているのに、しゃべれない・・・とコンプレックスを持っている人が多いと思います。エクアドル人も、「英語はできない。しゃべれない」と自分でいう人が多いです。しかし!!エクアドル人と日本人の「英語ができない」レベルは、全然違うんです!

 それを実感した出来事がありました。先日、仕事から家に帰るときに、一緒になった同僚の車に乗せて送ってもらうことになりました。彼女が、
「銀行に寄ってもいい?」
と言うので、銀行へ。エクアドルの銀行には、「アウト・バンコ」と言って、ドライブ・スルーでお金が下せる仕組みがあるのです。私は初体験でしたが、彼女もでした。二人で、ドキドキしながら、前の人の様子を観察。どうやら、カプセルに用紙と身分証明書を入れて、機械に入れると、カプセルの中にお金が入って戻ってくるという仕組みみたいです。すごい!おもしろ~い!!
最初は、カプセルが機械の中に入っているので、
カプセルの中に必要なものを入れて、

手を伸ばして入れる。しばらくするとお金が入って戻ってきます。
同じ要領で、入金もできるんじゃないかな?

 とうとう、私たちの順番がやってきました。カプセルに用紙と身分証を入れて、機械に入れて・・・2つボタンがあります。上のボタンが「CALL」、下は「SEND」と書いてあります。すると、彼女が私の方を見て、

 「カズノ、カルってどういう意味?」

 彼女は、「CALL」と「SEND」の意味がわからなかったのです。しかも、「コール」ではなく、スペイン語読みの「カル」と読みました。ちなみに、彼女は大学院卒です。

 この現状は、彼女だけではありません。私の同僚は、ほどんどが大学院卒で、修士号や博士号を持っているはずなのですが、「MADE IN JAPAN」のMADEを「マデ」と読んだり、「NATURAL LIFE」というお店の看板を「ナトゥラル・リフェ」と読んだりします。

 もちろん、学校では英語の授業はあります。でも、授業の後の黒板を見ると、内容は日本の中1レベルです。学生は、みんな高卒なのに!

 でも、小学校から英語の授業はあるんです。週2回くらいしかないけど、小さい頃から英語には接しているはず。それなのに、どうしてできないの?

 その理由はまだ解明できていないのだけれど、1つ推測できるのは、大学入試に英語が必要ないからかもしれません。大学入試の内容は、思考力をみるテストで、科目ではないのです。

 それに、エクアドル人は、スペイン語が母語です。スペイン語が話せるということは、南米のブラジルを除く全ての国と、中米のほとんどの国と、スペインでは話が通じるということです。ここが、国内でしか通じない言語が母語である私たち日本人と、英語の重要性が大きく異なる点です。英語ができなくっても、特に困らないのかもしれません。他の南米の国々も同じような感じなのかなぁ。

 別に、「これからは英語ができなきゃ生き抜いていけない!!」と思っているわけではなく、見下しているわけでもなく、素直にびっくりしました。

 でも、英語ができないことよりもっと不思議なのは、そんな現状なのに、いろんな人が使う銀行の機械のボタンが、なぜ英語で書いてあるのかということです。間違えて、職員を呼んじゃう人が後を絶たないんじゃない?

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